第104章 振り回し回され
リクエストにより外出時よりもはだけた胸元は逞しい胸板を覗かせる
そして私の言葉をどう受け取ったのかは解らないが更にボタンを開きシャツを羽織っている様に前を全て開いた彼は途端にむせ返る様な色気を放ってポーズを決め始めた
これはもう誘惑の域を越えて殺しにかかっている
私はシャッターを切る事を忘れて固まっていたのだが
「ねぇ、早く撮って。さっさと終わらせたいんだけど」
彼の言葉で再びシャッターを切り始める
誘惑、と言われて迷い無くボタンを開いた彼は何処か悩まし気な表情を浮かべていて自ずと鼓動は早まった
しかしその瞳に熱っぽさは無く本当にポーズだけの誘惑。その妖艶さたるや女豹の様な女性なら飛び付いてしまうのでは無いだろうかとすら思わせる。度胸さえ有れば私も飛び付きたい。
次々にポーズを取る彼の姿を写真におさめつつ感じたのは慣れている………だった。
もしかしたなら彼は誘惑慣れている…………?
一体どういう事か自身でも解らないがもしかしたなら彼は家業の任務で女性を誘惑する事があるのかもしれない……なんて考えると胸がぎゅっと成ったのでそんな事は考えずにただひたすらに今の彼を焼き付ける事に集中する