第104章 振り回し回され
彼はごろりと布団に転がるのだが………
「うーん。違うんですよねー……そんなピンと寝転ぶんじゃなくて……こう………色っぽい感じで………」
「は?男の俺に色気なんて出せないに決まってるでしょ」
「……あの、私お手本見せますからそんな感じでお願いします」
思い切り眉をしかめて怪訝な表情を浮かべた彼
何を言っているのだろう。彼の色気を持ってすれば数多くの女性を悩殺出来るだろうに………なんて考えながらも布団に寝転び脳内の妄想を表現すべくポーズを取って見せる
「目線はこんな感じでこんなんとか………こんな感じとか、お願いします!」
じっと私を見詰める彼の眉がピクリと反応を見せた
良く良く考えずとも今めちゃくちゃ恥ずかしい事をしてしまった事に気付き即座に飛び起きる
「とにかく!カメラを誘惑する感じで」
「沙夜子って今とんでも無く馬鹿な事言ってる自覚ある?」
「………っはい。でも私真剣です」
「………誘惑………ね。」
彼は再びごろりと横になると先程私が見せた通りのポーズを取った
脳内妄想よりも何倍も魅力的な彼に思わず赤面しながらもシャッターを切る