第104章 振り回し回され
その上唐突に落ち込み始めた私に呆れや苛立ちを感じても当然だと思ったその時だった
「……正直迷惑だよね。俺からすれば皆同じだし、何を言われ様が興味が無いんだよ。どうでも良いから名前も顔も何を言われたのかも忘れるんだろうね。………その点沙夜子は見ていて飽きないから不思議だよね……何を落ち込んでるのか知らないけどさ、次のお願いは何?」
彼は淡白ながら実に穏やかに言った
彼は私の気分が沈んだ理由にきっと気付いていてフォローしながらも敢えて知らないふりをしてくれた
その気遣いは私にとって心地好いもので胸のモヤモヤは途端に消えて行く
「次はショッピングに付き合ってもらいます!」
満面の笑みで答えた私に彼は短く了解、と言った
暫くカフェで雑談を楽しんだ私達は公園から程近いイオンへやって来ていた
お目当てはマグカップと彼がやって来てから少し減ってしまったお皿を買い足したかったのだ
雑貨屋さんの店内にて彼はぴったり私に着いて回りまるで恋人同士の様なシチュエーションにドキドキしてしまう
「この小皿可愛いくないですか?」
「良いんじゃない」