第104章 振り回し回され
私達は今公園にいる
公園とは言っても子供が遊ぶ様な遊具や砂場がある訳では無く
沢山の花が咲く道の脇には小川が流れている様な公園だ
彼に花を眺めて貰ったり香りを嗅いで貰ったりと沢山の写真を撮った
ポージングをリクエストすれば黙ってその通りにポーズを決めてくれるのだが
彼は本当に何をしても絵になりカメラ越しでも見惚れてしまう
「次振り返る感じでお願いします!」
「………。」
髪をかき上げて貰ったり伏し目がちな表情やカメラ目線なんていう赤面待った無しのショットを沢山撮った私は初めて良いカメラが欲しいと思ったりした
「はい、休憩入りまーす!」
まるで何かのスタッフの様に声を掛けると彼は直ぐ側のベンチへ腰掛けて気だるげに長い脚を組んだ
…………思わず激写する……
「これ何が楽しいの?」
「逆に楽しいしか無いんですけど?」
彼の呆れた声に鼻息荒く答えながら隣に座ると公園中の視線が彼に注がれている事に気が付いた
「………まぁ、沙夜子の事だからどうせこんなものだろうとは思ってたけど」
なんて彼の台詞よりも熱視線が刺さる