第103章 素敵なご褒美を
彼は大きな身体を丸くして眠る習性がある様でゆるく拳を作る手が可愛いが布団を元に戻す
「イルミさーん!!」
再度呼び掛けるが彼が目を覚ます気配は全く無かった
其れだけ信頼され彼はリラックスしていると考えると頬が緩んだ
朝食は喫茶店でと思っていたが急遽変更してトーストを焼き目玉焼きを乗せた
勿論彼の分も皿に乗せてちゃぶ台に並べホットコーヒーとミルクを入れればあっという間に朝食は出来上がった
「イルミさん!朝ごはん冷めますよー!!」
私は声を張り上げながら彼の肩を軽く揺する
「……ん………寝てた……」
「はい」
「……おはよ」
「おはようございます」
彼はぼんやりと私を見詰めた後に気だるげに上体を起こした
まだ覚醒していない様子で頭をがしがし掻いた彼は吐息混じりに言葉を紡ぎ何処と無くセクシーな雰囲気に不意打ちを食らって頭がクラクラしてしまった
「朝ごはん出来てますよ」
「………んー……」
彼はのそりと起き上がると座椅子に腰掛けてぼんやりとした様子でコーヒーに口を付けた
いただきます、と言ってワイルドにパンを噛る
彼は基本的に上品に食事をする
男性が食事をしている姿を見て綺麗だと思ったのは彼が初めてだったがハンバーガーやおにぎりなんかを食べる際は一変してワイルドである