第103章 素敵なご褒美を
(………すみません、すみませんイルミさん)
心の中で謝罪を繰り返しつつ小物が収納された段ボールを覗くが中々見当たらない
ひっそりと鎮座するスノードームや仕事道具の針や何だか解らない小瓶、何時如何なる理由で購入したのか不明な謎のキーホルダーが転がる中でクッキーの缶を見付ける
それは以前私がバイト先で貰ったお土産の物でまさかその空き缶を彼が所持しているとは思いもしなかった
持ち上げると缶の中身は軽いものの響く音は何か硬い物の様でそっと開くと中身はアクセサリーだった
旅行の際身に付けていたネックレスと全く見覚えの無いシンプルなシルバーリング、レザーのブレスレットが入っていて彼が何時何処で購入したのか非常に気になるが普段アクセサリーを身に付けている様子も無く真新しい其れをチャラチャラと身に付けている姿が見たくなりちゃぶ台の上に並べて置く
(………チャライルミさんも絶対格好いい…………!!)
私は再び眠る彼に近付く
彼は目覚める様子も無く眠っているのでとりあえずカメラにおさめる
普段使わないデジカメは昨夜の内に引っ張り出して充電も完璧だ
「イルミさーん」
ピクリともしない彼はまさに熟睡中で私はそっと布団を捲ってみた
足元迄全てを剥ぎ取ると彼の寝相が伺えるが別に其れを見ようという変態性を発揮したのでは無く
彼を起こそうと思ったのだが………
………とりあえず激写……