第103章 素敵なご褒美を
9月22日
私は七時にアラームをセットしてまだスヤスヤと眠る彼を揺すった
「……んー………」
気の抜けた表情を激写する
「おはようございますイルミさん!」
「……おはよう」
布団にくるまったまま彼は僅かに眉を潜めた
辛うじて開いた瞼は重そうに落ちてもう一度彼は微睡みの中に入ってしまった
私は昨夜のご褒美について沢山考えた挙げ句彼を連れ出し色々な場所でモデルの様にポーズを取ってもらい彼の写真集を作るという変態じみた事を考えていた
規則正しい寝息を立て始めた彼を再び揺り起こすのはなんだか可哀想でもう暫く眠ってもらおうと思う
その間私は自身の身支度を整えて彼に身に付けてもらう洋服を勝手に選ぶ事にした
僭越ながら4つに増えた彼専用段ボールを覗く
几帳面な彼らしく衣服、下着、小物類、その他と分けられた段ボールから黒いシャツとジーンズを引っ張り出す
旅行の際に身に付けていたネックレスも必需品の為に探す
端から見れば人の荷物を漁る私はかなりヤバイ奴だが洗濯物を仕舞う際にも日常的に触れている為に彼は何とも思わないだろう