第102章 彼と私の防犯講座
「…………はぇ?」
…………特別防犯講座……………?
私の頭上には沢山の疑問符が浮かぶ
話があると重々しく言った彼の言葉からてっきりあの日の行動の真意やまたはお叱りを受ける覚悟を決めていた私の耳に飛び込んだ言葉は肩透かしも良い所だった
「沙夜子は変態に好かれるからね」
「…………私変態に好かれた記憶が無いんですけど」
私の言葉に僅かに眉を潜めると低い声で ヒソカ と呟いた
「………っ」
途端に溢れ出す汗をそのままに視線を反らしてしまった
「……ヒソカさん以外にいないじゃないですか………」
「………はぁ………やっぱり解ってないみたいだね」
「…………?」
「以前居酒屋終わりに沙夜子を待ち伏せしてる男がいた事もあったし、下着泥棒も侵入してたよね?挙げ句最近沙夜子をつけてる気配があるんだよ。其れでも変態に好かれた記憶が無い、なんて言えるの?言えないよね。」
「………ちょ、え?!」
「勿論待ち伏せしていた男は追い払ったしつけられてるのだって何かあれば助ける。だけど其れは俺が居れば問題無いけれど例えば俺の目の届かない場所だった場合確実に助けられる訳じゃないし、下着泥棒だってたまたま俺が先に帰ったから何も無かっただけで沙夜子が先に帰っていたとしたらどうだっただろうね」
「………………」
饒舌に話す彼の言葉は威圧感とはまた違う圧を放ちなんだか叱られている気分に成った