第101章 何でもない日常へ
結局、彼と接して私が感じた事等ただの予測に過ぎず本当の所彼が何を思ったのか、何を思い行動したのか………考えたって私には何も解らなかった
彼を熱っぽく感じたのだって思い上がりかもしれず彼の真意はいくら考えたって一切解らない
溢れだした湯船から身体を持ち上げる
………心の中は恥ずかしいやら切ないやらで忙しなく
Tシャツの残骸と役に立たない下着を手にバスルームを後にした
彼の言葉通りドライヤーに髪を靡かせる私は素直では無いだろうか……?なんて思考は直ぐに消え去り
(……………イルミさん大好きです………イルミさんは……私をどう思ってるの…………?)
溢れては切なく胸を締め付ける気持ちにじんわり滲む涙を噛み締めた
洗面所を出ると室内は真っ暗で私はひとりぼっちだった
…………少し彼が待っていてくれているかもしれないと期待していた胸が傷んだがそれは私の勝手な妄想で部屋にはただ夜風が吹いていた
灯りを付ける気にもならず重い足取りでベッドへ向かうとベッドの上にはアロハ黒猫のぬいぐるみが座っていた
ベッドサイドのチェストにはスポーツ飲料とプリン
体調不良だと偽った私を気遣い彼が用意してくれたのだと直ぐに解った