第100章 濡れた素肌
途端に漏れ出す鼻に掛かった声を最早抑える事が出来なくなる
更に手を取る彼は私の指の形を確める様に咥内へ含む
舌の動きを敏感に感じ取る指先は逃れ様と無意識に引かれるがしっかりと手首を掴まれまるで私に見せる様に目の前で艶かしく舌が覗く
時折流し目で寄越される視線には先程より熱が籠り私はその度に身体を震わせた
徐に伸びた手は下着越しに胸を包み指先が緩く食い込む
やっとの事で彼の唇から解放された手はだらりと力無く落ちて全身が脱力感に満たされて行く中
ブチッという音が耳に入り胸元の締め付けが無くなった事に気付く
「…………え……?」
床に転がる下着は彼の手により千切れて落ちるが今は其れより胸元に注がれる彼の視線に咄嗟に手で隠そうとする私の腕はやんわりと払われてしまい彼の大きく骨ばった手により覆われてしまった
力を込められ簡単に形を変える胸に羞恥が込み上げ彼に見られていると意識すると思わず顔を反らす
と同時に端正な顔を寄せた彼はわざとらしく敏感な部分を避けてヌルリと動いた舌の感覚に肩が揺れ自身の物とは思えぬ甘い声と吐息が次々漏れ出した
………このまま彼に身を委ねてしまおうと思った
大好きな彼になら私は本当に幸せだ
彼以外にあんな事をされたからこそ実感するのは彼に触れられる心地好さとどうしようも無く溢れる想いだった