第99章 祭り囃子の最中
得も言えぬ感覚が走り身体が僅かに震える最中にも執拗に舌は動き続けた
「っあ………」
漏れ出た声が嫌に甘く吐き気すら覚える私とは相反して彼は満足気に顔を上げると私を包み込む様に覆い被さり耳元へ息を吹き込んだ
「……沙夜子、良くなってきた?♥️」
柔らかく耳朶をなぞる舌先は耳穴へ侵入し卑猥な水音を頭に響かせる様に鳴らされ涙声が漏れた
それと同時に彼の大きな手は下着越しに胸を包み込みやわやわと形を変える
耳元への愛撫は止まず胸を優しく揉まれて身体は更に熱く成った
拒否する気持ちとは裏腹に徐々に回らなくなる頭
どれだけそうされていたのか慣れた様にブラへ侵入する手は遂に素肌の胸へ触れ私は大きく身体を震わせた
「……いや………っ……」
その時だった
「ヒソカ!!何やってるんだ」
「……クロロ……見れば解らない?♣️」
「今すぐ退け。」
「クックックッ………はいはい。第一歩はとりあえず完了かな♦️」
「沙夜子ちゃん、宝物は返すよ。楽しい前菜をありがとう♥️」
屋上に現れたのはクロロさんだった
ヒソカさんはクロロさんの言葉によりすんなり私から身体を離すと能力から解放し降参した様に両手を上げて見せ私の手にかんざしを握らせた
私はその様子をどこか呆然と眺めていてクロロさんの言葉は全く頭に入って居らず着崩れた衣装さえも整える事無くへたり込んでいた
ふわりと浮く身体は浮遊感に見舞われぼんやり見上げると私はクロロさんの腕の中におり
抱き上げられているのだろう……なんて他人事の様に思った
そして私は声を殺して泣いた
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遡る事56分前
俺は一番に着付けを済ませてホテルのフロアに出た