第11章 恋の季節にはまだ早い
暫く歩くとつい数日前にイルミさんが自転車デビューしたスーパーに出た
一度訪れている為に案内は省くが近くのコンビニやドラッグストアーを案内した
彼はやはりというべきか自身で買い物へ出るという行為を行った事が無いそうでネット注文や執事に任せっきりだったそうだ
だからだろう、頻りに感心している様子だった
イオンモールも外から眺めるだけではあるが映画館やゲームセンター、洋服や雑貨まで色々ある事を説明
実家の前を横切り元旦に行った神社を通り過ぎ
昔通った駄菓子屋さんや飼えもしないのに子犬を眺めたペットショップ
本当に些細なスポットまで紹介して回った
イルミさんは無表情であるが嫌がる素振りもせず思い出話を聞いてくれた
(何となく私の事知ってもらうみたいで楽しいなぁ……)
大分うろうろと歩き回り近所では比較的大きな公園へたどり着いた
公園の周りには洒落たカフェやレストランが点在するが
ピクニック気分でお弁当を作ったのでそれら全てをスルーしてベンチに腰かける