第99章 祭り囃子の最中
「あの……来たんで……返してください!」
「……ん~?沙夜子ちゃん、問題。何の為に呼び出したか解る?♦️」
「……わかりませんけどめっちゃムカつきます」
「………そう♦️」
ニヤニヤと口角を上げたヒソカさんが私を引き寄せると同時に反転する景色
包み込む様に覆い被さったヒソカさんに私は驚きを隠せず瞳を大きく見開いた
先程迄確かに地に足を付けていた筈だ
何故私は夜空を仰ぎ見る様に冷たいコンクリートに寝そべっているのだろう……
私は自身の身に何が起きているのか状況が理解出来ずに呆然とする
「……正解は……こういう事する為♥️」
「………っ!!」
嫌に鋭く私を見下ろした彼は形の良い唇からペロリと舌を覗かせると徐に伸ばした腕でしっかりと着付けられた衣装の胸元を掴み強引に広げた
途端に露出した肌は外気に晒されやっと状況を理解する
「……っ……ヒソカさん……私にこんな事して何になるんですか……やめてください……」
「解ってないなぁ……沙夜子にイタズラすれば彼、怒るだろ?そうすれば本気でボクと殺り合ってくれると思わない?♥️」
「………っ!!!!」
色々な感情がぐちゃぐちゃに成って言葉が出ない
ただ胸に溢れたのは嫌悪だった
強い拒否感から彼の身体を突っぱね様と腕を伸ばしたが虚しく空を切り直ぐに床に張り付いて動かなくなってしまった
彼の能力である事は解っていても必死に腕に力を込める
ピクリとも動かない自身の腕に苛立ちや悔しさが込み上げてぎゅっと閉ざした瞼から涙が頬を伝った