第99章 祭り囃子の最中
「花が綺麗………だなんて考えもしなかった」
「……そうですか」
「うん」
「………好きな物いっぱい見付けました?」
「…………そうだね。多過ぎるくらいに」
「良かった!!」
何処か間延びした様な彼の声に私は場違いな明るい声を上げた
暫くして帰って来たクロロさんは私達の事を恋人同士だと認識している為に
「………邪魔したか?」
なんて気まずそうに笑ったが何だが悲しくて泣き出してしまいそうだった私は下手くそな笑顔でお帰りなさい、と言った
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夕飯はホテル内の個室にて戻ったヒソカさんも揃いで四人、懐石料理を堪能した
その際今日1日何をしていたか話題に上がり
クロロさんはショッピングを楽しんでいたそうでヒソカさんはざっくり観光としか話さなかった
私は磯遊びの話しを夢中で話していたのだがニコニコと保護者的な笑みを浮かべた二人の顔を見て尻すぼみになってしまったりした
実に楽しい時間を終えた私達は既に始まっているホテルイベントへ参加する為に旧館へ出向いている
伝統在る衣装という事に興味を示すクロロさんとは相反してヒソカさんは不参加
そして俄然参加する気満々の私に付き合う形でイルミさんも参加してくれる事に成り三人でやって来た
旧館と言っても大きなシャンデリアが輝くフロアは明るく新館と変わり無い様に思う
広いフロアには色とりどりの琉装に身を包んだ人々が行き交い自然と胸が弾む