第98章 潮だまりとTシャツ
うっすら瞼を開けば三人の足元が見えて心臓がぎゅっと成りじわりと汗が溢れた
「昨日は随分お茶目さんだったね♥️」
「別に謝られる事は何も無い、朝飯食いに行こうぜ」
「ほら、行くよ」
私の頭上に降ってきた台詞は三者共に違うながら暖かなもので勢い良く顔を上げると映ったのは
ニッコリ笑ったヒソカさん、やれやれと笑うクロロさん、普段と変わらず無表情なイルミさんの顔で一気に肩の荷が下りるのを感じた
私が一体何を仕出かしたのかは一切解らないが先を行く三人の背中を見遣り、厚意に甘える事にして現実から目を背けた
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朝食は広々としたレストランにてビュッフェ形式で取る事になっており其処には朝食とは思えぬ程の大量の料理が並んでいて私は嬉々として列へ加わった
朝から色々焦った為か随分空腹を感じていた私の目線は早くも料理を吟味し始めている
そしてはたと気付いて後ろを振り返ると彼等はやはり居なかった
私は焦りを浮かべて広間を見渡し、広い室内の中心にてちょこんと椅子に座るヒソカさんとクロロさんを発見した
(…………あの二人もビュッフェ知らんか………)
なんて思いつつ列から外れようとしていると二人に歩み寄る彼の姿を視界に捉える
彼は既にビュッフェ形式を体験している筈だが……なんて様子を伺っていると二人を連れ立って私より後ろの列に加わった
どうやら二人にビュッフェ形式を教えたらしい彼
会話は全く聞こえないが内心ニヤニヤしてしまった
料理の中には沖縄らしさを感じる海ブドウやジーマミー豆腐なんてのも並んでいてついつい欲張りに善そってしまったが「神崎様」と書かれたネームプレートのある席に着いた