第97章 溜息
そしてぎょっとした様に見開かれた彼の視線と目が合い、自身が相当酔っている事に気が付いた
椅子に座って優雅にお酒を嗜んでいた彼のおみ足に私はかしづく様に引っ付いているのだ
………俯瞰で見ればかなり際どい光景かもしれないがそれよりも私は生足の脹ら脛の筋肉に感動を覚えていた
「イルミさん!」
「何。離れなよ」
「嫌です!!!」
私は酔った勢いに任せて彼の脹ら脛を鷲掴みにして叫ぶ
背後から聞こえるヒソカさんの笑い声やクロロさんの引いた声等構うものか
衣服に包まれていれば細い様に見える彼の脚だがその実筋肉という鎧に包まれたそれは私の瞳を輝かせるには十分な魅力が詰まっていた
力一杯握ってみるが彼は溜息を付いて緩く脚を揺らした
鬱陶しそうにしたって今の私には無駄だ
「イルミさん!脚に力入れてください」
「は?…………沙夜子酔ってるよ。水飲みな」
「嫌です!!早く力を!!」
何度目かの溜息と共に脚に力を込めたイルミさんに歓声を上げた私は其れを肴にぐいぐい酒を飲んだ
なんて美味しい酒だろう……!!
嬉々として彼を見上げた私だがスラリと伸びた生足はガウンへと消えるのだが組まれた脚の隙間から黒の下着がチラリと覗いて思わず地に落ちる
「ぐはぁっ!!!!」
「…………」
私の目線に確実に気付いていたであろう彼は無言のまままた溜息を付いた
「…………ん」
気が付くと私は自身の予約した部屋のベッドで独り眠っていた
時計を見るとまだ夜中の2時頃で、私はいそいそと布団にくるまり眠った