第96章 水族館と手の温もり
次いで大水槽と隣接する様にある"サメ博士の部屋"へ行くと水槽にうようよ泳ぐ大きなサメを拝む事が出来た
私は夢中になって水槽にかじりついていたが手を繋いでいる事で彼を強制的に引き留めている事に気が付いてチラリと見遣ると彼は私を見ていてドキリと心臓が鳴った
何故か視線を私から外さない彼に見詰められて顔に熱が集中する
「……えっと……サメ……」
「サメだね」
「………強そうですよね……」
「そうかな」
「………」
「………」
(…………何………私何か変…………?!)
自身の顔に何か付いているだろうか……変な髪型になっているのだろうか……途端にサメより自身の事が気になり始めてパニックになっていると
「ほら、大きいのが来たよ」
「え!?あぁほんまや……」
彼に単調に伝えられ水槽を見遣ると一際大きなサメが目の前を横切った
彼の視線の理由が気になってそれ所では無かった私だがぼんやり声を上げた
その後巨大なサメの歯のレプリカの前で観光客の人にツーショットを撮ってもらい次いで深海エリアを散策する
暗い館内に神秘的に浮かぶライトは様々な水槽を照らしていた