第96章 水族館と手の温もり
9月16日
私達は開放的なレストランから海を一望しながら優雅な朝食を終えた後にコンシェルジュに深々と頭を下げられながらホテルを後にした
時刻は昼前
次々流れる景色を横目に車内でホテルでの素敵な体験を振り返りつつも会話を弾ませる
やはり3日目にも成ればお互いに距離感が掴める様に成っていてぎこち無さは随分緩和された様に思う
目的地迄まだ時間が掛かるので四人仲良くゲームなんてしてしまっている
「じゃあ次私がお題ですね!……黒い飲み物!…せーの!」
「「「コーヒー」」」
「コーラ!」
「コーヒーの圧勝だね」
「黒い飲み物はコーヒーだろ!」
「コーラは沙夜子ちゃんだけだったね♥️」
「だってコーヒー飲まないですもん…………次お題イルミさんです!」
「……拷問するならどの部位が好き?……せーの」
「!!!!」
「鼻!」
「目♥️」
「胃」
「………っちょっと待ってくださいっ!!そもそも私拷問とかしやんから解らないんですけど!!」
「クックックッ………そうだよイルミ、沙夜子も解るお題にしないと♥️……次ボクだよね………じゃあボクの好きな所ひとつ上げて、せーの!♥️」
「セクシーな所!」
「「………」」
「イケメンだろ♥️」
なんて自分本意なお題だ!とは思ったがナルシストなイメージのあるヒソカさんのお題なので素直に答えたのだが………
まさかクロロさんとイルミさんは沈黙を貫きヒソカさんと私の声だけが響くとは思いもしなかった………
(………めっちゃ気まずいやん……)
じわりと額に汗を浮かべつつもチラリと隣を見遣るとイルミさんは不愉快といった様子で眉を潜めていて嫌に心音が早まった
そんな私に追い討ちを掛ける様に
「沙夜子ちゃんはボクのセクシーな所が好きなんだね♥️」
なんて呟きを聞きながら私はスルーを決め込みペットボトルの水を飲み干したのだった