第10章 動物園へ行きましょう
気が付くとイルミさんとの他愛ない会話を暫く続けた後に一時間近く何もせずウトウトしてしまっていた様だ
知らない内にイルミさんは読めないなりに雑誌を広げて写真を眺めていた
「おはよ」
「………おはようございます」
(………半分寝てたんバッチリバレてるやん)
「そろそろ行きますか」
「うん」
どうかお腹の音は聞こえていませんように……と願いつつも店を後にした
________"
「イルミさんはどの子が一番可愛かったですか?」
「ペンギンかな」
「ペンギン可愛いですよね!水族館行きましょう!皇帝ペンギンっておっきいペンギンも居てるんですよ!……でも一気に可愛いの見ちゃうのは勿体ないから水族館はまた今度にしましょう」
「そうなんだ。良いよ」
私達は場所を変え片手にアルコールを持って思い出を共有している
喫茶店を出ると其処ら中に在る串揚げ屋さんに入った
盛り合わせを頼んで揚がる毎に運ばれて来る串揚げは空腹だった私を夢中にさせた。
イルミさんはというと"一週間絶食でも空腹にならないから"と言っていたがなかなかワイルドに頬張る姿は萌えとしか言い様が無い
せっかくなのでと飲み放題も頼み一品物も頼みながら話している
ガヤガヤと賑やかな店内、彼は平気だろうかと危惧したが案外楽しそうに店のレイアウトを眺めたりしている様子から勝手に大丈夫だろうと判断した
イルミさんと初居酒屋
話題は明日の外出先である
私とて一応働いているのだ
正月休み中に出来る限り遊びたい
「明日はまったりと近所を散策しませんか?色々案内しますよ!」
「うん。あまり知らないままだと不便だしね」
「そうですよね。……近所ばっかりやけどお弁当持って行きましょうか!寒いけど」
「良いよ」
「イルミさん他に何か案あります?別に違うのでも……」
「無いかな。沙夜子の意見に賛成」
「やったぁ!決定ですね!」
思わず満面の笑みになる
今日を思い返し、最高に楽しい1日だったと感じた
(イルミさんもそう思ってくれてたら良いなぁ……欲張りかな……)
なんて考えたが、やはり彼が何を考えているのかは解らなくて途中で辞めた
店を後にした私達はしっかりとコーヒーを買って帰路に着いた