第94章 海を渡る橋
海で遊ぶ為に水着に着替えて更衣室を出た私の前に待っていたのは
黒のサーフパンツをモデルの様に履きこなし白いシャツを羽織って美しい筋肉を控え目に露出したクロロさんは上品ながらチラリズムで覗く腹筋がセクシーで
奇抜なオレンジのブーメランパンツ一枚に身を包んだヒソカさんは惜し気もなく肉体美を披露しておりその完璧なプロポーションは何処を取っても美しく目のやり場に困る
イルミさんはというと試着の際も拝んだがやはりと言うべきか白い肌にサラリと流れる黒髪
鍛え上げられた肉体は見事なもので白いサーフパンツからのびる足はすらりと長く普段露出が少ない故に私の目には眩し過ぎた
昨夜は夜だった事もありあまり視界に入れずに済んだ逞しい裸体達だが燦々と降り注ぐ太陽光に照らされた彼等は太陽よりも輝いて見える
「うぅっ………死ぬ………」
「具合悪いのか……?バナナボート……乗れるか?」
「………はい、大丈夫っす」
思わず漏れた心の声にクロロさんは心配気な声を掛けてくれたが
チラリと見遣った彼は何時もの事だと言わんばかりに無表情だった
私の変態性は確実にバレていると悟った………
「可愛い水着だね、凄くいいよぉ♥️」
「あ、ありがとうございます……」
誉めてくれた事は単純に嬉しいのだがゾワゾワと鳥肌が立つのは何故だろうか……
そんな事を考えながらも私達はバナナボートに乗る
私より先に座っていた彼等の姿を見て必死に頬の内側を噛み締めてしまった
普段危険人物達を束ねる冷酷な団長、変態的な快楽殺人を好む奇抜師、悪名高い暗殺一家の長男……彼等が揃ってプカプカと陽気に浮いた黄色いボートに跨がり、ボートと共にプカプカ浮いているのだ
「ブフッ…………!!!」
私はたまらず吹き出してしまった
「「?」」
吹き出した私にキョトン顔を向ける二人に私は笑い転げそうになるが