第94章 海を渡る橋
「何故万座毛というかと言うとだな、万人も座する草…「ねぇ沙夜子バンジーガムでバンジージャンプする?♥️」
「馬鹿じゃないの。」
「何やそれ、しませんよ!!一般人にはバンジーガム見えへんねんから私一人で浮いてるみたいになるじゃないですか!!浮遊する女性、即Yah○o!ニュース行きじゃないですか!!」
「そう?きっと楽しいのに……残念♥️」
「………遠慮します」
クロロさんのウンチクを割ってとんでもない提案をしたヒソカさんに警戒しつつぎゅっと手を握ると彼もしっかり握り返してくれてじわりと胸が暖かくなった
私達は海風に吹かれながら30分程かけて観光を済ませ次の観光へ向かう
現在地から約一時間、向かうは古宇利島
美しく長い橋をドライブするのが目的なのだが暫く走っていると若干ではあるが雲が多くなってきた
何処までも続く様な海に真っ直ぐ伸びる橋は正に絶景なのだが雲り空だと魅力は半減だ
「………曇っちゃいますかね……」
ポツリと漏れた言葉に
「飛ばす?」
彼はチラリと私を見遣ったが
「安全運転でお願いします」
釘を刺しておく
こんなのどかな街でプロさながらのドリフトを決められては即逮捕だ
急ぎたいのは山々だが恨めしく雲を見詰める
「………ヒソカさん奇術師に不可能は無いんですよね………晴れさせて下さい………」
「えっ……♦️……確かに不可能は無いとは言ったけど……解るでしょ……沙夜子?」
「えー………ヒソカさん……」
「聞き分け無い事言わないの♦️」
「イルミさんだって晴れてて欲しいですよね!」
「うん。海綺麗だし晴れてて欲しいよね。………そうだ」
「……?」
「てる沙夜子坊主の呪いをかけよう」
「………?!」
「イルミ怖い♦️」
「え?ヒソカには言われたくない」
まさかの発言にぎょっとして彼の横顔を見詰める
…………確かにあいつの呪いは強そうだし
なにより彼が呪いとか言うと本当に呪えそうな気がして私は何も言えなかった