第94章 海を渡る橋
お米は炊きたてで艶々と光り本当に朝食か疑わしい程の豪華な品数は男性でも満足のボリュームだろう
アメリカンブレックファーストは焼き立てパンが香ばしい香りを立てフルーツやサラダは勿論だがジャムの数に驚かされる
一人に対して小瓶4つが用意されており、それだけでずっとパンが食べられそうだ
明日は絶対にパンを食べようと心に決めて
綺麗な海を一望する優雅なレストランでの朝食を終えた
そして車に揺られて約5分
やって来たのは観光名所、万座毛
朝一番だというのに沢山の観光バスが停車しており、お土産屋さんは既に活気で溢れていた
「随分混んでるね♦️」
「沖縄の歴史的にも有名な場所だからな」
鬱陶しそうに呟いたヒソカさんに答えたのはクロロさんだった
読書が趣味な彼の事、きっと沖縄の歴史なんかもしっかり頭に入れてやって来たのだろう
異次元の方とは思えぬ台詞だがヒソカさんは可憐にスルーを決め込み伸びをしている
「良く知らないけれど、綺麗な崖だよね。」
それを言ってしまうとお終いだが単調な言葉は実に彼らしい
そんな三人と連れ立って歩くと沢山の観光客が道を譲る様に開ける
(え………何………怖い………)
昨日はこの様な事は起きなかったのに突然人々が道を開けるので一般市民の私はオドオドしてしまう
至極当然の様に平然と歩く三人にも驚きだが一体何が原因なのかと考える
絶対的にビジュアルは原因の一つだろう事は間違い無いが……
私は思慮深く辺りを観察して気付いた
比較的狭い通路に観光客は密集していたのだが彼等は何故か道の真ん中を歩きたがり目立つ外見から避ける様に道が開いたらしかった