第94章 海を渡る橋
今日の行程も楽しみなのでワクワクと高ぶる気持ちは否めないが
(………クロロさんがあんなん言うから…………)
うっすら浮き上がった隈を眺めながら心底クロロさんを恨んだ
メイクを済ませた頃に目覚めた彼はゆっくりとベッド上で柔軟を始めていて私は其れを横目に癖毛を生かしたセットを終えた
そして本日は海に繰り出す為に着替えが楽なワンピースを選んだ
純白のワンピースは足首程迄と丈が長く上に薄手のカーディガンを羽織ればカジュアルな雰囲気に成った
これならばこのホテルに御宿泊の高貴な皆様の目に触れても大丈夫だろう………と思う………多分……
着替えを済ませてリビングへ行くとクロロさんは既に起床していて分厚い本を読みながらコーヒーを飲んでおり
イルミさんはソファーに腰掛けスマホ片手にコーヒーを飲んでいた
そう言えば部屋にはコーヒーサーバーが常備されていたなぁ何てぼんやり考えながら朝の一時を写真に収めてプールサイドへ出る
涼しい海風が頬を流れ朝ならではの薄ぼんやりとした優しい光が辺りを照らしていて何だか爽やかな気分に成った
「ヒソカさんは……?」
「まだ寝てる。あいつ朝弱いから」
「そうですか………時間大丈夫ですかね………?」
「ヒソカなんて放っておけば良いよ」
「随分だね………♦️」
「……あ、おはようございます」
「おはよう。ボクに優しいのは沙夜子ちゃんだけだよ♥️」
「あはは……」