第93章 揺れる水面
そう言えばキャリーバッグの中に彼からプレゼントされたかんざしが入っていて圧迫されて潰れてしまいはしないだろうかと心配していた事を思い出す
3日目から宿泊するホテルは大きなホテルで、夜のプールサイドにて夏祭りが開催され沖縄の民族衣装琉装を着付けて貰えるイベントがあり、その際に付けようと持ってきていたのだ
部屋へ運び入れたと言う彼の言葉にキングサイズのベッドが鎮座する部屋へ向かいキャリーバッグを開いてかんざしの入った箱を確認する
かんざしは傷一つ無く無事だった
「良かったぁ…………」
「ソレ、大切な物なの?♦️」
「っ……!!びっくりしたぁ………」
私の背後に音も無く立っていたのはヒソカさんだった
いちいち無音で動く彼等は私のチキンハートを脅かす
「はい、これはイルミさんからのプレゼントなんです!あ、触らないでくださいね……」
「クックックッ……信用無いなぁ……
沙夜子の言ってたお祭りに付けて行くの?♥️」
「はい!綺麗でしょ!」
「綺麗だねぇ。安心しなよ、壊したりしないから♥️」
ヒソカさんはそれだけ言うと部屋から出て行った
彼の行動は実に謎だ。………まぁしかし、かんざしの無事を確認出来て安堵した
キャリーバッグの内ポケットに仕舞うとそっと閉じた
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夕飯は4種のコースから選べる贅沢な物でフランス料理、日本料理、鉄板焼き、お鮨と選り取り緑だ
私は大いに悩み頭を抱えたが明日も此所でディナーを食べられる事にはたと気付き即決でフランス料理を選んだ