第93章 揺れる水面
首里城を後にした私達は約一時間かけて予約してあるホテルへ向かっていた
二泊する予定のこのホテルは全室コテージになっており小高い丘から海を一望出来る上にプライベートプールも付いた何ともゴージャスな物だ
一室4名のオリエンタルスイートはHPで見た際非常に美しく庶民的な私は浮いてしまうのでは無いかと不安になるがせっかくなので存分に楽しむつもりでいる
更にディナーも豪華で食べる事が好きな私には其処も楽しみの一つだ
窓から見える景色に海が近付き到着が近い事を知らせる
車内のデジタル時計が16時に切り替わりチェックイン時間を少し過ぎてしまう事を気に止めながらもまだまだ落ちない太陽に照らされて輝く海は珊瑚礁特有の色合いを見せており私は夢中になって窓に張り付いていた
暫くして到着したオリエン○ルヒルズ沖縄
辺りは亜熱帯の森が包み込み閑静な雰囲気は想像以上に特別感満載だった
更に驚きなのが到着と同時に待機していた専任コンシェルジュが居る事で平凡な私は一切チェックイン作業に関わらない彼等に見守られながらおっかなびっくり作業を済ませた
私の人生の中でこんなに良いホテルに宿泊する事はもう一生無いだろう………
丁寧な説明に懸命に頷く私だが後ろの自由人三人に説明してくれやしないだろうか……と思ってしまったのは秘密だ
………しかしえらく開放的なフロントだ……
ウェルカムドリンクを出されて仰々しくソファーに腰掛けた私とは裏腹に彼等は一様に長い足を組み威風堂々とドリンクに口を付ける
独断態度がデカイとかでは無いのだが慣れた様に落ち着いた振る舞いは優雅でなんとなく壁を感じてしまった
漸く案内された部屋は思いの外広く平然としている彼等とは対照的に私は歓声を上げる
「めちゃくちゃ綺麗ー!!!凄い!!!ほんまにプールや!!」
「クックックッ……沙夜子ったらはしゃいじゃって可愛いね♥️」
「だってほんまに豪華ですよ!」
「そうだね♥️」
私は部屋を見て回る
先ず入室して直ぐに目に止まったのは広々としたリビングルーム
その直ぐ目の前にはプライベートプールがあり一面ガラス張りの部屋はフロント同様に開放感満載だ