第10章 動物園へ行きましょう
その後、園内を隅々まで周り
気が付くと朝食の後何も食べずに昼を過ぎて15時近くなっていた
かなりどっと疲れてしまったので動物園を出て喫茶店に行く事にした
近くで言えばMI◯なんて施設やハル◯スも在るが
今にも足の裏がもげてしまいそうな私がそんな所まで遠路遥々歩ける筈が無かった
この疲労感の中、イルミさんがより目立つ場所に行く気力も無い
よって、疑似デートのキラキラウキウキ感等かなぐり捨てて通天閣付近にあるやたらとボロ…………レトロな喫茶店を暫しの休息の地としたのだ
「イルミさん何飲みます?」
「ホットコーヒー」
「私アイスミルクティー」
入店した瞬間から香るコーヒーの匂いに小綺麗な店内、落ち着いた雰囲気
コジャレたインスタ映えカフェに行かなくて本当に良かった
写メ好きなので嫌いという訳じゃないが今の気分は断然この店がしっくりきた
年季の入ったソファーはふかふかで深く腰かけるとしっかりと体重を支えてくれた
運ばれてきたミルクティーで喉を潤す
二人には心地好い沈黙が流れている
勿論私はまぁまぁな頻度でイルミさんを見詰めている訳だが
まだ空は明るいのに若干暗くレトロな店内は彼の異国感や掴めない雰囲気を際立たせている
伏し目がちにコーヒーカップを持つ仕草は本当に絵画を切り取った様で
思わず幸福な溜め息が漏れた