第92章 閉じ込めた青
頻りにあーんでお刺身を求める彼にドキドキしながらお裾分けしているとヒソカさんとクロロさんも何故か口を開けて待っていた
(……雛鳥か…………………)
なんてツッコミを密かにしつつ緊張しながらも先ずクロロさんへと箸を近付けていると
突然目の前の木製椅子が大破してクロロさんは随分遠くで身構えていた
私は何があったのか理解出来ず間抜けな声を漏らしたが隣のイルミさんが腕をビュッと振って木片を払っている辺り彼の仕業だろうと推測する
「危なっ!!!!いきなり何だよ!!!」
「食べたいなら素手で食べて。本当図々しいよね」
「其れならそうと口で言え!!」
「クックックッ……♥️」
新な椅子を片手に戻って来たクロロさん
平然と素手でお刺身を食べながら騒ぐ面々にポカンとしてしまい結局私は一枚しか食べる事が出来なかった
所謂ナタデココなのだが食感や見た目はイカの刺身に似ていて鼻をココナッツの香りが抜ける独特の風味が私は好きなのだが
彼等は三者三様で
「うまいな!」
「味がしない♦️」
「いまいち」
なんて感想を頂いたりした
その後四人揃って散策した琉球王国城下町は
昔の沖縄の町並みが再現されていて家屋の中では沢山の体験教室が開催されているのだが興味無さ気にスルーする三人の写真をとにかく撮りまくった
クロロさんも沢山撮影してくれていて、この旅で一枚目の彼とのツーショットを私は見事に手に入れる事が出来て大変満足だ
その後大きな白蛇との記念撮影では完全に白蛇を操るヒソカさんによる蛇マジックが行われ困惑した私だったが私よりも飼育員さんの方が困惑していて気の毒だった
流れのままに入館したハブ博物公園でもヒソカさんは謎のパワーで蛇達を操りまくり
他の観光客迄集まってしまう始末にクロロさんは呆れており
イルミさんは子供の様に剥製やホルマリン浸けの蛇をずっと眺めていた
生きた蛇が沢山展示されているのに彼が何故ホルマリン浸けに惹かれるのかはかなり疑問だが
可愛いのでそっと盗撮しておいた
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首里城への道すがら昼食を済ませて車に揺られる