第92章 閉じ込めた青
ずっと暗闇にいたせいで目がくらむ
そう言えば鍾乳洞内でクロロさんと会わなかったが彼は何処へ行ってしまったのだろう……
鍾乳洞を出ると広がった熱帯フルーツ園
小さなパイナップルやパパイヤ等を見て回り見えて来たパーラーではパインジュースやグァバジュース等のトロピカルジュースを販売していてヤシの実ジュースなんてのもあった
そして其所でトロピカルジュースを飲み思い切り南国を楽しんでいるクロロさんを発見した
「遅かったなお前達」
なんて言いながら至極当然の様にジュースを飲む彼………
「クロロが勝手に先に行ったんでしょ。お陰で沙夜子が転びかけた」
「それ俺関係無くね?」
「何飲もうかなぁ♦️」
(………あかん………この三人誰も協調性とか無い………)
今までこんなタイプの人が周りに存在しなかった私は軽くカルチャーショックで唖然としていたのだが
気が付くと彼に連れられるがままにトロピカルジュースの売店迄やって来ていたのでメニュー表を見詰める
「私ヤシの実ジュースとヤシの実のお刺身にします!イルミさんは?」
「俺要らない」
「そうなんですか?」
「沙夜子のを少し分けて」
「はい!」
彼からの提案は私にとって嬉しいものだった
非日常的な景色の中彼と食べ物や飲み物をシェア出来るなんて…………そんなの………めちゃくちゃカップルっぽいではないか!!!
既にジュースを手にクロロさんの居た席へ座ったヒソカさんの後を追って注文の品を手に席に着くと
大きなヤシの実をそのままくり抜いたジュースはやけに目立ち唯一頼んだ食べ物に注目が集まった