第92章 閉じ込めた青
強い日射しに照らされて瞳を細める彼は私の開いた窓から入る風に吹かれて舞う髪を片腕でやんわり押さえており血管の浮いた腕が普段より狭い車内故に間近で拝めて鼓動が跳ねた
「………なに?」
「……いえ……」
私の視線に気付いて声を発した彼とチラリと視線が交わり
自身が如何に彼を直視していたのかに気付いて思わず俯く
「ボク達の事忘れてない?♦️」
「二人の世界だな………」
後部座席から届けられるでもなく聞こえた二人の会話に瞬間的に顔に熱が集まるのが解った
私はそんなに彼に見惚れていただろうか………
(はっずかしい…………!!!!これから気を付けなあかん………。冷やかされたら堪らん………!!気を引き締めて行こう………)
………全く自信は無いが………
___________"
約30分程で到着したのは"おきなわワールド"
沖縄特有の魅力をぎゅっと詰めた様な敷地内は独特の雰囲気が漂い正に観光地だ
入園口ではシーサーが出迎えてくれて、あぁ沖縄に降り立ったのだと実感する
私を追い越して歩く背中
彼はゆっくりと振り返り私を待つように立ち止まってくれていた