第86章 テストのヒトコマ
(………………読める訳無いッ!!!てゆーかさっきのテストからの毛色の変わり様にビビるッ!!!…………あかん………サイト変えよう………)
「答えは?」
「えっ!?」
変な汗が吹き出して声を裏返す私に怪訝な表情を浮かべる彼
「見せて」
「えっ……?!えーと、もう消しちゃいました………!」
作り笑いを浮かべて必死に誤魔化すが流石に何かを隠してる事は彼にバレバレだ
見せてしまえばかなり気まずい上に私が自らこの質問を選んで出題したとは思われたく無い
咄嗟に嘘を付いてスマホを伏せた
が、彼は素早く私のスマホを掬い上げて画面を覗いてしまった
「消して無いじゃん」
「……!!!!!」
終わった………必死に隠した分更に気まずい。
私はじっと座って動け無いままスマホ画面を見詰める彼を眺めた
痙攣して気絶でもしないかな………という思いで頭が一杯に成る中
「ふーん」
彼は実に単調に呟いた後にポイっと私に向かってスマホを放った
私は慌てて受け取ると彼の様子を伺うが彼はテレビに視線を移した後に黙ってしまった
(……………何か………何か言ってよ………)
気まずい沈黙は続き
すっかり忘れかけた頃に
「心理テスト……沙夜子も答えなよ」
「えっ……!」
彼の言葉により赤面するやら冷や汗をかくやら沢山のテストに答えさせられた
答えを一切教えてくれない彼の満足気な
「結構当たってるんじゃない?」
という意味深な言葉に私はびっしょり汗をかいたのだった
(絶対私に仕返ししてる………イルミさんねちっこいーっ!!!)
内心文句を垂れるしか成す術はなかった