第86章 テストのヒトコマ
内容も知らずに選んだテストだがなかなかに良いチョイスだ
彼が黙って此方を見詰めるので多少気まずいが先程に比べれば全然マシだ
「Aのオレンジ!
あなたの理想の女性像は、可愛らしい女性です。健気で可愛らしい、ちょっとドジなとこがある。
笑顔が瑞々しい、妹のような女性がタイプです………どうですか当たってますか?!」
大好きな彼の、しかも普段何を考えているのか微塵も解らない彼の理想の女性を知れるかもしれないと俄然鼻息が荒くなる
「さぁ。次は?」
彼は白々しく髪をかき上げつつ質問を流して次のテストを急かす
然程興味も無い筈なのに話題を反らした………という事は………図星?!?!
(妹の様なドジっ子だと………?!そんな奴会った事無いぞ………まじかよー。私ともタイプ違うやんー……)
内心色々思いながらも次のテストを読み上げる
「………あなたは、靴を買おうと店に行きました。そこであなたはこれまでにない理想の靴と出会いました。それは、どんな感じの靴ですか?」
「靴………移動性と丈夫さは勿論だけど靴擦れなんてしない物かな」
想像してくれたらしい彼の理想の靴は職業柄が滲み出た物で彼らしいなと思う
「答えは……」
そして答えを読み、再びフリーズする
『この心理テストで分かるのは、あなたの理想の抱き方です。』
『例えば、
「ゆったりとしていて、シンプルな感じ」
であれば、抱きしめながら、ゆったりするのが良いということ。
「締め付ける感じが良くて、走りたくなる感じ」
であれば、ギュッとして激しい感じが良いということ。』