第86章 テストのヒトコマ
「じ、じゃあ心理テストしましょう!」
「心理テスト?」
「はい!質問に答える事でその人の心理が解るんですよ!」
「ふーん」
彼は何処か感心した様に唸る
早速スマホで検索してページを開いた
「大きな船が港から出ようとしています。そのとき、船が汽笛を鳴らしました。それはどんな音? 長さや回数など、詳しく説明してみてください!」
「大きな船ね………長く三回」
「長く三回ですね!答えは……………………………」
私は絶句した
進めたスマホ画面には『それはあなたのディープキスの長さと回数です☆』の文字
「今ので何が解ったの?」
なんて無邪気に首を傾げる彼とは相反して私は変な汗をかく
「えっと……………それは………眠ってる時のあなたのいびきです!」
「………ふーん」
咄嗟に嘘を付いたが確実にバレている
しかし私の口から伝えるのは非常に気まずい………
声を裏返しながら次のテストを読む
「女性が何かを運びながら、あなたの前を通り過ぎます。何を運んでいる?
A,オレンジB,石C,本棚D,ブタ」
「Aのオレンジ」
「…………この心理テストでは……………あなたの理想の女性像が……解ります………」
「…………」