第10章 動物園へ行きましょう
翌日1月3日
朝から電車に揺られている
目指すは観光地としても知られる天王寺、新世界である
ホームを降りると駅の壁には既に動物の絵がお出迎えしてくれた
昨夜イルミさんとする行事を沢山考えてざっと出た案は大小30種類に昇る
ひとつずつ消して行くしかない…という訳で早速動物園へ行く事にした
(入園料も財布に優しいし…)
そもそも公共機関を利用しない、と言った彼は普段自家用車や自家用機ばかりに乗っているのは容易に想像出来る
(はい、またイルミさんの初体験頂きましたっ!ありがとうございますっ!)
口が裂けても言えないけど……
動物園は日にち的にか意外と空いていた
「動物園来たことあります?」
「無い。それに動物も俺の所と違うし」
「そっか、確かにそうですね!多分」
「多分?」
「動物がフューチャーされて出る事って少なかったですから。」
「そっか」
入園料を払い園内マップを貰った。改装している、とニュースになっていたのが何年前だったのか…改装後に来たのは初めてだ
入ってすぐ目に入る変なオブジェの時計は変わりない様だ
「うわーめっちゃ懐かしい!」
「良く来てたの?」
「はい!動物めっちゃ好きなんです」
「そうなんだ」
「誰から見ます?」
大好きな可愛いモフモフ達を間近に見れるとなって自然にテンションが上がる
「沙夜子の好きな所からで良いよ」
「ほんまですか!行きましょう!」
黒髪美人と動物園!テンションの上がり方は天井知らずだ
気が付くと彼の手を引いて歩いていた
(………どうしよ……いつ手離したら良いかわからん……せーので離そう……)
勝手にそんな事を決めて頭の中でせーのと唱えて手を離した
瞬間に手を覆う大きな手
(えっ………?!)
自身の手を見るとイルミさんの美しい手に握られていた
(うおおおおおおおおおおおおおおっ………!)