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ここは私の部屋です【HUNTER×HUNTER】

第83章 溺れる心





普段慣れない場所に行くとキョロキョロと辺りを眺める彼だが人の多さにうんざりしているのか彼は真っ直ぐ前だけ見ている

店舗の場所を把握しているのは私な為に一歩下がって着いてくる彼が…………愛しい。


手を繋ぎたい………とは思うが自分から言い出す勇気も無く、暑い、とか人が多い、等と他愛ない会話を交わしつつ目的地を目指す


「何か興味ある所とかあったら声掛けてくださいね!」


「うん」


所狭しと並ぶ店舗は殆どがブティックで男性用の店舗は数少ないが其れでも一応声を掛けておく

勝手に消えられては困るし瞳を輝かせる彼を無理矢理に引っ張って迄急ぐ事でも無いし、純粋に好奇心を持つ可愛い彼にそんな事を出来る気もしない


しかし彼が私に声を掛ける事は無く道頓堀迄出て来た

何がそんなに有名なのかは良く解らないが一応グリコの看板や食い倒れ人形なんかはどうせ帰り際に通るので今はスルーして先を行く


賑わいを見せる人混みの中


突然見知らぬ男に肩を捕まれて驚きを隠せない

悪趣味な金髪に顎髭を蓄えた男は馴れ馴れしい笑顔を浮かべて語りかけてくる



「お姉さんめっちゃ可愛いなぁ!今一人?良かっ……っ!!!」


「!?」


途端に目の前に映ったのは彼に腕を捻り上げられて悲痛に表情を歪める男の姿だった


「やめろやっ痛いって!!」


頻りに騒ぐ男に彼は手を緩める事無く橋の手摺に強く押し付けた



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