第9章 何でもないヒトコマ
翌日1月2日
特段何もせずにダラダラと過ごして既に日が傾き近所の公園から17時を知らせる音楽が流れ出す頃だ
早目の夕飯を終えて録り溜めていたドラマを流している
前に流行っていた契約結婚をする、なんて内容のドラマに少しシンパシーを感じつつも白紙を広げて考える
(これからイルミさんと何しよう……お金の問題は仕事掛け持ちしたら良いし……)
年越しをきっかけに隣同士並んで食事する様になった私達
ふと隣を見るとイルミさんはドラマをじっと見ていた
「イルミさん…何かしたい事あります?」
視線を私へ向けるイルミさん。不意の美形に目潰しを受けた気分だ
テレビを消さなかったのは多分私が付けたものだからだろう
「したい事?」
「はい、例えば……遊園地に行きたい…とか?」
「遊園地…行った事無いからわからない。うーん………」
考え込んでしまったイルミさん。相変わらず無表情だが