第82章 天袋から広がる話
(………何か言うてよ……それイルミさんにプレゼントする訳無いやん………!!!おかしいやろ!?)
彼は暫く衣装を眺めた後に可愛らしく首を傾げて
「俺は着れないよね。ていうか着ない。………もしかして、これを着た沙夜子が俺へのプレゼント?」
「!!!!!」
この人は何を言っているのだろうか
驚きの余り言葉を失う私に続けて
「ふーん。沙夜子にしては考えたね」
なんて淡々と言って除ける
「ちっ……違いますよ!!それはハロウィンの仮装で着てたコスプレ衣装であってイルミさんのプレゼントじゃないですっ!!!大体なんですかその、プレゼントはわ、た、し♪みたいなノリ!!しませんよそんな恥ずかしい事っ!!!」
私は一気に上がる体温を感じながらもまくし立てた
誰がそんな大胆かつ羞恥の範囲を大幅に越えた事をするものか。大体、片想いしている相手にそんな事をしたとして、玉砕したならばその場で真っ白に燃え尽きてしまう事間違い無しな上にコスプレ姿で灰になった女等目も当てられ無いじゃないか
息継ぎもせずに一気に言葉を吐いた私に
「なんだ、違うのか」
と興味を失った様に衣装を床に放る
「はい、違いますっ!」