第81章 サスペンスは突然に
辺りを見渡すが一際目立つ彼の事、瞬時に見付からない時点でこの付近には居ないという事だ
どうやら私が上の空だった内にはぐれてしまったらしい
(………はぁ………どうしよ………私がおしとやかでおっとりしてるからやわ…………)
誰が聞いても激しくツッコミを入れられる様な事を不真面目に考えつつもじっとその場で待つには落ち着かず、進行方向へ歩き出した
頭の端では迷子はじっとしているのが一番だと解っているのだが、今回の場合観光地とはいえ広大な敷地でも無く一本道
進んだ方が効率が良いだろう…………というのは建前で
かなり不安になっていた。
お前いくつだよ!!と思われるかもしれないが数回訪れはしたが完全なる土地勘も無く沢山人はいるのに知ってる人間は見当たら無いのだ。更に全く関係は無いのだが曇り空は何処か不穏な雰囲気を醸し出し私を更に不安にさせた
彼の名前を叫びたいが、大人が迷子?
と思われるのも恥ずかしい。
だいたい今回の場合私がはぐれた可能性もあるが彼があの完璧プロポーションの長い脚を生かして私を置いて行ってしまった可能性だって否めないのに私だけ迷子扱いを受けるのは嫌だった