第81章 サスペンスは突然に
意外だと思ってしまったのは私だけだろうか………
彼は今まで気に止める様子を見せた事も無ければその事について話題に取り上げた事も無かった
「だけど、此方ではコミックに載っちゃってる訳だし見られるのは仕方ない。………それに」
「?」
「彼らは俺に何の関わりも無い有象無象だから俺を見ていようが何をしていようがどうでも良い……最終的には殺せるしって思っちゃうんだよね」
「…………へ、へぇ」
辛烈過ぎやしないだろうか……無表情のままに放たれた言葉は彼らしくて笑い出しそうになるのを必死で耐える
『有象無象』……意味
取るに足りない種々雑多な人々。多く集まったつまらない連中。
(イルミさんにとっては取るに足らん只の石ころと同じって事な…………全然伝授とか無理やん。私には殺すとかも無理やし。最終的に殺せる殺されへんで考えるって………え、野生動物やん………あんなに美しいのに野性味溢れ過ぎやん……)
上の空で内心喋り倒していると気が付いた頃には彼が居なくなっていた
「…………あれ?イルミさん……?」
___________"
その場で直ぐに道の端に寄り彼に連絡するが繋がらず留守電に成ってしまった……