第75章 男とのヒトコマ
…………1号はGマンと共に外界へ旅立ってしまったが2号よりも履き古されたパンツが彼の目に触れなくて心底良かったと思った
______________"
翌朝ニュースから『下着泥棒』の声が聞こえてテレビを見遣るとそこに映っていたのはGマンだった
昨夜の説明で彼の針により私が帰宅した時点で正気を失っていたGマンはその奇っ怪な行動を通報され、そのまま逮捕された様だった
彼は暗殺の力を知らず知らずの内に正義の力に変えていたのだ
Gマンはこれ迄下着を何度も盗んでいた様で体育館の様な場所にズラリと並べられた下着の中にピンクちゃんを発見
1人で静かに納得していた私だが
色とりどりの可愛らしい下着の中で異彩を放つボロボロのパンツが映り、瞬時に1号だと解った
………何せ7年も連れ添ったのだあの色褪せたのびのびは1号に間違い無い………
綺麗に飾られたパンツに飽きたのか、はたまた血迷ったのか連れ去られた1号
「沙夜子のだ」
と指差す彼の太腿を私は初めてグーで殴った
彼は少し驚いた様に瞳を見開いた後、ニュースについて触れる事は無かった