第75章 男とのヒトコマ
(よりによって何でこのパンツーーーーーーーーー!!!!!!!!)
私は恐怖に加えて多大なる精神的ダメージを受けて今にも泣き出してしまいそうになる………
…………彼には………彼にだけは………見られたく無かった…………
シュッと空を切る音………途端に膝から崩れ落ちた男………引っ張っていた事で床に落ちた安心パンツ2号………
「ひぃっ……!!!」
私は猫の様に素早く飛び上がり彼に向かってタックルする勢いで抱き着いた
彼は微動だにせず抱き止めてくれたのだが私は再び絶叫する
床に倒れた筈の男がカサカサとまるでゴキブリの様に部屋中を這い回っていた
「ぎゃあああああああああっ!!!!!!」
私は彼がいるという安心感も相まって遂に泣き出してしまい腰が砕けた様にへたり込んだ
カサカサと一通り部屋中を這った後にそのままの恐ろしい動きで玄関から出て行った
「……………何やねん………」
「バイバイ」
彼のバイバイの言葉をぼんやり聞きながら
玄関先にポツリと残されたボロボロの2号をそっと足で隠した