第70章 未来について
「殺してなんて言ってません!小さい生き物は守る物やけど私とセミとはある程度距離感が必要なんですッ!!!!…………という訳でそいつを外に出してください。お願いします」
スライディング土下座の勢いで床にひれ伏した私に彼は何の躊躇も無くセミの死骸を鷲掴み外へ放り投げた
「はい。」
「…………ありがとうございます」
「まさか沙夜子があんなものを怖がるなんて……意外だね」
「……そうでしょうか」
「うん。沙夜子って変だし好きって言い出してもおかしく無い」
「………………」
淡々と言って退ける彼に普段の行いを思い出し言い返す言葉は見つからなかった
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昼食はそうめんと玉子焼きに温泉卵を出した
コレステロールが心配なダブル玉子だが板東○二が生きているから平気だと勝手に思っている
すっかり慣れた手つきで箸を扱う彼を盗み見つつも私も昼食に手を付ける
そういえば彼がそうめんを口にするのは初めての事だ
麺を啜るのが苦手な彼だが今までうどん、お蕎麦、焼そばと麺類の時は反応が良かったりする
今回はどうだろうか……と気にしつつもテレビを見ていると
「……悪くない」
と、えらく上からながら感想を頂いた