第70章 未来について
「……た、助けてぇ………!!!!」
逃げ惑う私をじっと眺める彼は一体何を思っているのか知らないが一向に救援要請に応える素振りを見せない
「お願い!ぎゃああああああああああああああああ!!!!!!」
「自分より小さい生き物は守るんじゃなかったの。」
確かにライオネル親方が家へやって来た際私はそう言った
しかし………それは今の状況に当てはまらない
別に私はセミを殺して欲しい訳では無く遠ざけて欲しいのだが
恐怖のあまりうまく言葉が出てこない
「ちが……!!!!怖い怖い怖い!!!!!」
部屋の隅で縮こまる私
パワフルに止まれそうな場所を探し求めるセミ
彼が大きく溜め息を付いた途端
元気一杯だったセミがパタリと床に落ちた
「ひぃぃっ!!!」
「発言は一貫性が無いと駄目だよ。守れの次は殺せだなんて」
セミには針が刺さっており彼が投げた物により絶命したのだと理解した
「違いますよ!!!私は外に逃がして欲しかったんです!!」
「あ、そうなの?」