第67章 彼とゲームセンターと私
彼は普段から周り等どうでも良いといったスタンスを崩さず気に止める様子も無く
私の進めるプリクラを怪訝な顔で見ていた
「なにこれ」
「写真を取る機械です!」
「携帯で事足りる事をわざわざお金を払ってするの?」
「携帯とは性能が違うんです!」
私は強引に彼の背中を押して撮影コーナーへ入った
軽く踏ん張れば絶対に私の力では進まないだろうに彼は優しい
最新のプリクラは私の知っている物から随分と進化を遂げていて戸惑いつつも操作して二人の思い出を残す
画面に映るモデルさんを真似て沢山のポーズを決めたりして結構大変だったりした
落書きコーナーで目の大きさ迄好きに変更出来る事に驚愕しつつもペンを進める
彼は私の隣に立っているが画面を眺めているだけで如何にもカップルの様な事も書けずシンプルに名前を書き込み日付のスタンプを張り付けて手短に済ませる
………しかし………完璧にポーズを決める彼は私より女子力が高くて美人で大して生きていない人生だが人生で初めて男性に敗北感を抱いたりした
出来上がったプリクラは驚く程加工されており
彼はお気に召さ無い様で眉間に皺を寄せていて私は其れを盗み見て笑みを溢した
家に帰ったら早速コルクボードに貼ろうと思う
勿論フィギュアも飾ろう
貼られたプリクラを見て彼は一体どんな顔をするのだろうか………
想像するだけで楽しみだ