第66章 ショッピングへ行きましょう!
シャッと音を経てて開いた試着室に佇んでいた彼はご丁寧に逞しくがっしりとした上半身を露にしており見事に水着を着こなしていた
正直彼の水着姿をイメージ出来ないでいた私だったが
いちぶの隙無く引き締まった肉体に纏った白い水着は黒のロゴとのコントラストで彼の魅力を存分に引き出しており瞬時に全細胞が活性化したかの様な熱に全身が覆われた
(…………神……………美形の神……………頂点………………何、………何あの腹斜筋……)
まさに彼はエロスと美を融合させた出で立ちでくるりと回って見せる
「どう?サイズは良い感じかな」
何てくりっと首を傾げる彼に私は膝から崩れ落ちそうになる
鼻血を吹き出して卒倒しなかっただけ大健闘だ
「……沙夜子、聞いてる?」
「………おおぅ………おうともよ!」
「……………じゃ、これで」
シャッと音を経てて閉まったカーテン
私の精一杯の返答は親指を立てて野太く答えた何とも気持ちの悪い物だったが謎のグーサインで似合っていると判断したらしい彼は水着を気に入った様だ
彼が着替えを済ませる数秒の間私はしゃがみ込みバクバクと煩い心臓をただ抑えていた
………こんな調子で沖縄旅行に行って大丈夫だろうか。先が思いやられる……旅行では彼と更に二人のハンサムマッチョが一同に会するのだ……鼻血で海が染まりジョーズ宛らのパニックを起こすかも知れないが私の死に顔は穏やかだろう…………きっと……