第66章 ショッピングへ行きましょう!
此処ならば大体揃うだろうと高を括ってやって来た
休日の昼下がり涼しい場所を求めて沢山の人でごった返すフロアを彼と並んで歩くのだが
やはり彼が歩けば振り返る女性は少なく無く刺さる視線が痛い
気に止める様子も無く堂々と歩みを進める彼に自覚はあるのかなんてぼんやり考えた
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4階ファッションコーナーにてサーフブランド、クイックシルバーに入った
何でも良い、なんて投げ遣りな彼に代わり私は目の色を変えて彼に相応しい至極の一着を探していた
何せ私の趣味全開で彼へ衣服を贈るのは何気に今回が初めてなのだ
水着を衣服と言って良いのかは置いておき
決して妥協は許されない状況だ
しかしあまり彼を待たせる訳にもいかず何着か候補を腕に掛けて彼の元へ駆け寄る
「イルミさんどれが良いですか!」
「うーん」
選んだ物を一着一着彼に見せる
「これかな」
彼が選んだのは白地でサイドに黒のブランドロゴが入っており後ろポケットにカモメのシルエットが控え目にあしらわれたシンプルな物だった
「わかりました!じゃあ試着しましょう!」
「水着……試着するの?」
「下着の上からですよ!」
「そう………」
私はすかさず店員さんにお願いして試着室に消える彼の背中を見送った
ドキドキと胸を高鳴らせて待つ事数秒