第66章 ショッピングへ行きましょう!
7月15日
遂に夏の風物詩、生きた騒音製造機、セミが鳴き始めた
気温も徐々に上がり最高気温37℃なんて日もざらになり
アパートはいくら風通しが良くてもサウナ状態になる
普段ケチケチ節約している私だが流石に冷房を付ける
暫くすると冷えた空気でワンフロアの家は快適な空間になった
「文明の利器ですね……」
「ふーん。」
チラリと見遣った彼は黒のVネックTシャツにジーンズとすっかり軽装になり肌の露出も冬とは比べ物に成らず……なんというか………美し過ぎて逆に恐ろしい………意味も無くお礼を言いたい気分になる
そしてやはりと言うべきか彼の治癒能力は非常に高く傷が浅かった事もありほんの数日で綺麗に跡形も無く消えていた
身体中傷だらけなんてのも中性的な顔立ちからのギャップで萌えるがやはり彫刻の様な綺麗で神聖成る身体に傷痕が残るのは如何なものか………
と変態的な事を考えているとテレビから"トレンドの水着"という言葉が飛び込んできて視線を向ける
色とりどりの水着を身に付けたモデルさん達が次々現れる画面
沖縄旅行用に欲しいなぁ………なんて思いつつも彼の反応が気になり見遣ると普段と変わらぬポーカーフェイスで画面を見ていた
(………イルミさんも、おっ!胸でかいな!とか思うんかな…………)
「何」
邪な考えが明け透けだと言わんばかりのタイミングで声を掛けられて動揺するがその事は聞かなかった
代わりに
「今からショッピングに行きませんか?!沖縄旅行行くから水着も必要やし、イルミさんに買いたい物もあるし!」
「俺に?」
「はい!行きましょう!」
「……うん」
彼を炎天下のコンクリートジャングルへ連れ出した
向かった先は複合商業施設、イ○ン