第65章 私の死闘
次いで流した崖の○のポニョを見ながら風呂を上がり無口になった私は彼と並んで夕食を済ませた
彼は私をチラチラと気にした様子で見ているが
(………よしてくれ………私は死んでしまった………HPは0やねん………棺桶やねん………タダノシカバネノヨウダ………やねん………)
無言を貫いた
そして時刻は遂に18時45分
私は布団を敷きそわそわと時計を見詰める
じっと待ちわびていると秒針が止まっているかの様に時間の進み方がゆるやかに感じて
「時計壊れてる………?」
「……壊れてないよ」
なんて発言をしてしまう程だ
刻一刻と迫る就寝時間に私は万歳でもしたい気分だったがまた彼に怯えられてしまえば次こそはもう立ち上がる自信が無いのでじっとその時を待った
時刻は19時05分
私は布団に感謝した。その境地は聖母といった所か
実に穏やかな心持ちで眠りの挨拶を告げてのび太くんの記録を更新する早さで眠りに付いた
こうして私と睡魔との激しい死闘は幕を閉じた…………のだが
その後風呂に入りゆっくり身支度を整えた男は彼女の布団に潜り込みぎゅっと抱き締め添い寝をした
彼女を眠らせ無かったのは時折夜中に目覚めている彼女が自身の添い寝に気付き逃げてしまう事を懸念してだった
企みは思惑通り進み彼女をその腕に抱いたまま男は朝を迎えた
翌朝呑気に欠伸を溢した私は知るよしも無く呑気に外出の提案をするのだった