第65章 私の死闘
画面から流れるのはスタジオジ○リ、となりのトト○
日本国民なら一度は観たことがあるだろう名作だ
幼い頃から何度も繰り返し見た事で台詞までバッチリ暗記している
暫く座って観ていたのだがのどかな雰囲気の世界観に自然と瞼が落ちる
………正直眠たくて仕方がない
そこで私はある秘策に出る
『私達風になってるー!』
必殺台詞を前倒しで物真似して発言、しかも立ち上がり身振りまで真似ている
言ってしまえば私に物真似の才能は微塵も無く小学校の学芸会を見た方がどれ程良いか………とは思うが
私の奇行に今更驚きもしない彼はテレビから視線を外さないので私が何をしようと大丈夫だろう
次いで再生した魔女の宅○便
お父さんの『小さな魔女を見せておくれ』と言う台詞に私はくるりと回って見せる様にポーズを取ってみる
……と、ガン見する大きな瞳に顔に熱が集まるのを感じた
「………なっ………なんですか……」
「小さな魔女……」
「………っ」
謎の呟きに汗をかくがそれ以上に会話は無く
その後ハウル○動く城、千と千尋の○隠し、平成たぬ○合戦ポンポコをたまに此方をガン見する彼の視線に怯えつつも見事に演じきった
時刻は16時
私はすっかりくたびれていた
このまま次の作品を演じ続ければ私は絶対に倒れてしまう