第64章 私を眠らせて
彼の怪我でそれ所では無かった思考がぐるぐると回り出す
「………はぁ…………沙夜子さ、俺との約束破ったでしょ」
彼の声色は呆れや怒りを含んでおり私は息を詰まらせた
「………何黙ってるの」
「……すみません。そんな気じゃなかったんです……私飲み足りひんくて……独りで飲もうと思って……」
「どうして」
「どうしてって……イルミさん巻き込みたく無くて………別に飲み友達もおらんし………独りで良いかなって……」
「巻き込む?」
「はい、私いっつもお酒飲んで記憶無くしてイルミさんに迷惑かけてるから……」
「……………」
「……すみませんでした」
「沙夜子、罰は受けるよね」
「…………………はい」
どんな罰なのか全く見当も付かないが静かに流れる冷たい空気に
はい、と答える他無かった
「じゃあ寝ちゃダメだからね」
「……はい?」
「……だから寝ない事が罰」
「……………」
「出来るの、出来ないの」
「………で、出来ます!」
私は以前耳を噛られた事からまた今回も類似した様な妖艶で痛みを伴う罰なのでは無いかと思っていた分何だか拍子抜けだが
すっかりびびって目が冴えている今なら出来る気がした
____________"
罰を宣告されて二時間
この時期既に空が明るむ早朝5時
前言撤回
出来る等と軽口を叩いた愚かな自分を思い切りひっぱたいてやりたい