第63章 バーが似合うのは大人だけ
「………ヒソカさん………イルミさんの電話番号知ってます?」
「知らない♥️」
ニッコリと答える彼の言葉が真実なのか嘘なのか計りかねるが
電話を掛けるよりやはりいち早く帰宅した方が身の為だとカクテルを煽っていたのだが………
ヒソカさんは言葉巧みに時間を延ばし新たなカクテルを次々出しては人間離れしたマジックを披露して見せてくれた
何処からとも無く大量のコインが出現したりトランプが宙を舞ったりと本当に凄い
私は元からかなり酔っていた事も相まって完全に潰れてしまい遂にはカウンターに突っ伏して意識を手放してしまった
(…………イルミさん会いたいなぁ………)
___________"
カウンターで眠りに付いた彼女の会計を済ませて抱き上げる
張り付けたドッキリテクスチャーを外せば画面にはおびただしい数の着信履歴に"イルミさん"の文字
時間は既に深夜2時
男は独特の雰囲気漂うホテル街でわざとらしくオーラを放ち目覚めぬ彼女をその腕にしっかりと抱いて歩いていた